小児科の対象となる主な疾患
発熱
子どもが発熱すると心配になりますね。
発熱をきっかけに受診を考える保護者の方は多いと思います。実は感染症に伴う発熱は、自分の免疫力を上げるための防御反応です。
特に高熱になると脳の障害を起こすのではないかと心配されることもあります。脳炎・脳症は発熱そのもので引き起こされるものではなく、本来の免疫反応が異常な反応を起こすことで発症します。
鼻汁内にはたくさんのウイルスが存在します。当院では自分で鼻をかむことのできない年齢のお子様に対して鼻汁吸引を行い、感染症の罹患期間の短縮を目指します。
鼻汁(はなみず)
子どもが発熱すると心配になりますね。
発熱をきっかけに受診を考える保護者の方は多いと思います。実は感染症に伴う発熱は、自分の免疫力を上げるための防御反応です。
特に高熱になると脳の障害を起こすのではないかと心配されることもあります。脳炎・脳症は発熱そのもので引き起こされるものではなく、本来の免疫反応が異常な反応を起こすことで発症します。
鼻汁内にはたくさんのウイルスが存在します。当院では自分で鼻をかむことのできない年齢のお子様に対して鼻汁吸引を行い、感染症の罹患期間の短縮を目指します。
咳
咳は気道に存在する異物(病原体も含む)や分泌物を体外に排出する防御反応です。
従って咳を抑えることが肺炎や気管支喘息への進行を止めるわけではありません。
病気を早く治すという意味では、咳は止める必要はなく、咳の原因となってるものが、ウイルス感染なのか、アレルギーなのか、細菌感染もありうるのかを考えて、その原因をターゲットにする必要があります。
咳の原因の中には気管支喘息発作やクループ症候群など呼吸困難につながる可能性を伴う疾患も紛れています。また数週間や数か月続くことで不安になり受診される方もいらっしゃいます。
咳の原因は多岐に渡りますが、咳の特徴や経過から原因が判明することもあります。
眠れない咳を何とかしたい、長引く咳の原因を知りたい、といった場合には小児科を受診して下さい。
湿疹
赤ちゃんや幼児の時期は様々な原因で皮膚炎が生じます。月齢や年齢、部位や性状、痒みの有無などで診断します。
細菌やウイルス感染に伴う皮膚炎、アレルギーに伴う皮膚炎が主で、皮膚に直接塗る外用剤や、症状に応じて内服薬を使用することもあります。
時には非常に感染力の強い麻疹などの発疹や、川崎病や薬疹などの早急に対応が必要な発疹もあります。
麻疹・風疹などのワクチン定期接種をしっかり受けておくことは、発疹を判断するうえで重要な前提条件となりますので、ワクチン接種は決められた時期に接種をしておくというのも大変重要です。
下痢
下痢の原因は多岐にわたりますが一般的には感染性のものが多く、経過とともに改善していきます。しかし一部には2~3週間以上続く慢性的な下痢症も存在します。
乳幼児と小学生・中学生では慢性的な下痢の原因は異なる点もあります。便性の確認ももちろん大切ですが、脱水の程度や体重減少の程度の評価も必要です。家族歴や食事内容なども大切な情報となります。下痢だけでなく腹痛や嘔吐を伴う場合は早めの受診を考えてください。下痢のみでそれ以外は元気という場合も数日続く場合はやはり受診を考えてください。からだに害のない超音波検査で腸の中で何が起こっているのか、ウイルス性「胃腸炎なのか、それとも違う病気なのか、目で見て判断することも重要です。
嘔吐
嘔吐も胃腸炎や慢性便秘に伴う事の多い症状です。時間と共に改善していく場合もありますが、時として緊急を要する原因で嘔吐している場合もあります。髄膜炎の一症状として生じることもあります。発熱や頭痛と共に嘔吐繰り返すようなら髄膜炎の可能性があります。また吐物内容も重要で、特に緑色や黄色みの強い吐物の場合は腸閉塞などの可能性を考える必要があります。
腹痛
子どもはお腹が痛くなることが度々あります。急性的なものから慢性的なものまで様々です。一過性で終わる場合もありますが、中には重篤な病気のサインとして生じることもあります。乳児であれば腸重積症、幼児であれば虫垂炎など、まれですが年齢によって重篤な疾患内容はやや異なります。
腹痛とともに顔色が悪い、嘔吐を繰り返すなどは緊急性のある腹痛である可能性も高いため、早めの受診が必要です。また、ストレスなどから生じるような機能性の腹痛も最近は珍しくありません。その場合はカウンセリングなどにより軽快することも期待できます。
腹痛に対しては、からだに害のない超音波検査を実施することもあります。
便秘
排便は必ずしも毎日できなければならない訳ではありませんが、2~3日に1回は排便できることが望ましいです。また、排便時に苦痛を伴わない事も非常に重要です。毎日排便が出来ていても、毎回の排便に時間がかかる、痛みも感じてやっとの思いで排便する状況も便秘の状態です。
硬い便により肛門周囲が切れてしまうお子さまは、その痛みのためますます排便を嫌がり悪循環になることも多くございます。
便秘治療の鉄則は腸の中で便が溜まり込む前に、積極的に(強制的に)排便させることです。その為に浣腸や下剤などを利用して、便秘を改善していく必要があります。
便秘はとてもありふれた症状ですが、実は軽視できない症状の一つです。
超音波検査で本当に便秘なのかどうかを確認することも重要です。
頭痛
主な頭痛は原因のない一次性頭痛(片頭痛や緊張型頭痛など)と原因のある二次性頭痛(感染症によるもの、頭頚部の外傷・障害によるもの、頭頚部血管障害によるもの、頭蓋内疾患によるものなど)に分けられますが、感染症による頭痛を除けば、原因のない一次性頭痛が殆どです。頭痛も程度や頻度によっては日常生活に支障をきたす場合もあり、適切な診断と非薬物治療(頭痛の誘因を避けるなど)・薬物治療が必要です。
特に、今までに経験したことのない激しい頭痛、頭痛と共にふらつきや麻痺症状を伴う、激しい嘔吐や物がぼやけて見えるなどがあれば画像検査を緊急に行う必要があります。
痙攣
痙攣も様々な原因で起こります。小児期特有の痙攣としては代表的なものに熱性けいれん(熱性発作)が挙げられます。
原因が何であっても、けいれんを起こした際にいきなり命に関わることは有りません。
難しいことですが、先ずは落ち着いて、安全な場所への移動、お子さまが呼吸をしているかどうかを確認します。嘔吐があれば体を横に向かせます。
手足の動きや目の向く方向を確認します。
叩いたり揺さぶっても痙攣は止まりません。5分以上継続する状態であれば自然に収まる可能性が低くなってくるため救急車要請が必要になります。
やけど
状況としては熱湯を被ってしまった、熱されている部分に触れてしまったなどが多いと思われます。
先ずは患部を冷やすことですが、慌てて氷を直接長時間触れさせると凍傷になることがあるので、水道水などの冷水を流す、或いは濡れたタオルなどで20分以上患部を冷やすことが重要です。その上でやけどの範囲や深さにより診察や処置が必要になる場合もあるため、早めに受診することをお勧めします。
院長コメント
小児科で受診される方で多いのが、発熱、鼻水、咳などの気道疾患、気管支喘息、湿疹、下痢嘔吐です。
わたしたちの仕事は、これらの初期症状の段階から重症化させない、もし重症な状態でご来院されたらそれを見つけ出し、適切な医療機関にすみやかに高度医療をお願いすることです。初期の段階での対応がとても大切だと思います。
特に鼻を自分でかめない乳児期、幼児期には鼻水をしっかり吸ってあげることで、症状が早く治ることがデータで示されています。
鼻吸いの重要性は、私の前任地であるパークタワー勝どき小児科でも大変多くのお母様お父様にご賛同いただきました。
今後も継続をして参りたいと考えております。