循環器内科について

循環器の症状と疾患

このような症状やお悩みがある方はご相談ください

• 胸が痛い、苦しい、胸を締めつけられる感じがする、胸に圧迫感がある
• 階段や坂道を上ると胸が苦しくなる、最近息切れがひどくなった
• 夜間や早朝に胸が痛む、苦しくなる
• 夜、横になって寝ると息苦しい
• 動悸がする、脈が速い、脈が遅い、脈が乱れたりとんだりする
• 血圧が高く、薬を服用してもなかなか下がらない　
• 健康診断で心電図の異常を指摘された
• 高血圧や糖尿病、LDL（悪玉）コレステロールが高くて動脈硬化が心配
• 家族や親類に心臓病の人がいて遺伝が心配　

日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。

血圧が高い状態は心不全の初期ステージであるという認識をもっていただくことが成人の診療の中で重要と考えております。
なぜなら、その段階で治療開始できれば、心臓病、脳卒中、透析になる確率が格段に低下するからです。

循環器の主な病気

労作性狭心症

心臓の冠動脈が動脈硬化などによって狭くなると、心筋（心臓壁を構成する筋肉）に送られる血液量が不足し、心筋が酸素不足となり、痛みが生じます。
普段は全身に血液を届けるため頑張っている心臓ですが、からだを動かしている際には、心臓自身が多くの血液を必要とします。そのため、心臓の血管が狭くなってしまうと、運動しているときに心臓に十分な血液が届かなくなります。
心臓は十分な血液がもらえなくなるため、苦しくなり胸痛を起こします。
血液が十分でないなら、酸素を肺からたくさん集めようとして息が上がり、それが息切れになります。
労作性狭心症は「階段を上ると胸が締めつけられるように痛くなる」、「重いものを持ち上げたり、坂道を歩いたりすると胸が苦しく痛む、安静にすると楽になる」という症状がみられます。
圧迫感や絞扼（こうやく）感などがあり、前胸部、みぞおち、肩、頸などに生じます。歯やのどが痛むケースもあります。
早めにご相談いただきたい症状の代表例になります。

安静時狭心症、冠攣縮（れんしゅく）性狭心症（冠微小循環障害）

安静時狭心症は、夜、就眠中、明け方に胸が苦しく押さえつけられたような発作が起こります。
多くの場合、冠動脈が一過性に痙攣（けいれん）を起こして収縮し、血流が一時的に途絶えるために生じると考えられています。冠攣縮性狭心症ともいいます。痛みの性質や部位などは労作性狭心症と同様です。冠動脈の攣縮（痙攣性の収縮）も、動脈硬化の進行過程にみられる現象と考えられています。

急性心筋梗塞

心筋梗塞とは、動脈硬化が進行して心臓の血管（冠動脈）にできていたプラーク（血液中のコレステロールや脂肪からできた粥状の物質）が冠動脈を突然塞いでしまい、心筋に血液が急に行かなくなり、心筋が壊死する状態をいいます。
症状としては突然、胸が焼けるように重苦しくなり、締め付けられ押しつぶされるような症状が現れます。冷や汗が出たり、吐き気も重要なキーワードになります。
この発作は長く続き数時間に及ぶこともあります。このような場合は、至急救急車を呼んでください。
内科的治療は冠動脈内に詰まった血栓を、バルーンが先端についたカテーテル（細い管）を心臓の血管内に進め、詰まった部分を拡げたり、ステント（筒状の金網）を血管内に留置したりする経皮的冠動脈形成術があります。
ただし、注意点としては壊死した心臓の筋肉が復活するわけではありません。心臓には障害が残り、あとから不整脈を起こしたり、心不全を来したりする場合が多いのもこの病気の特徴です。
心筋梗塞後には運動療法も極めて重要であることが様々な研究からわかっています。

心臓弁膜症

心臓の中には血液が逆流しないで一方向に流れるようにするため、4つの逆流防止弁があります。
心臓弁膜症とは心臓の中の逆流防止弁が壊れ、または狭くなり、血液が逆流したり、通過障害を起こす病気です。
弁の閉じ方が不完全なために血流が逆流してしまう「閉鎖不全」と、弁の開きが悪くなり血液の流れが悪くなる「狭窄
があります。
典型的な症状は、息切れ、疲れやすい、両足のむくみ（浮腫）などがあります。
心不全と並んで、「症状があっても歳のせい」と考えられている病気の代表といってもいいかもしれません。そのため見逃されがちです。
「健康診断などで心雑音が指摘された」という場合には、早めに専門医を受診しましょう。

閉塞性動脈硬化症（末梢動脈疾患）

主に足の血管に起こる動脈硬化が原因で足の血管が詰まる病気です。最近では末梢動脈疾患とも呼ばれます。
足に冷感やしびれ、歩行時に痛みを感じる、という症状があり、重症化すると手足に潰瘍ができ壊死することもあります。
代表的な症状は、「歩いていると足や腰が重くなる、痛くなる、歩くのをやめると収まる」、です。
肥満・高血圧・糖尿病・喫煙などが原因と考えられています。
閉塞性動脈硬化症を発症した場合には、下肢動脈だけでなく全身の血管も動脈硬化が進んでいる可能性が高いため、頸動脈や心臓の血管のチェックも必要になることもあります。

慢性心不全

これから増加することが確実とされている循環器疾患の中でも重要な病気が慢性心不全です。心不全とは全身に血液を送る心臓に、何らかの障害が生じて、その血液の循環がうまくいかなくなった状態です。

1. 急性心筋梗塞になったが、カテーテル治療で助かった。しかし心臓にはダメージが残った。
2. 心臓弁膜症が軽症のため手術は必要ないが、薬で経過観察になっている。
3. 狭心症でカテーテル治療をした。
4. 高血圧で内服を開始した
5. 糖尿病になった。

これらの場合すべてが心不全に該当します。特に注意すべきポイントは、高血圧や糖尿病は心不全の第一段階であるということを皆さんに認識していただくことです。高血圧と診断されるには、まず腕の血管の圧力が高いといわれ診断されますよね。腕の血圧が高い、例えば140/90と言われた、ということはどういう意味なのでしょうか？腕の血管と心臓はつながっています。腕の血管の圧力が140/90 ということは、心臓の中の圧力はそれ以上になります。心臓の中が高い圧力でパンパンな状態になっていたら何が起こるでしょうか？

1. 当然心臓は毎日徐々に大きくなっていきます（これを健診では心拡大として指摘されます）
2. 心臓の中の圧力が高いので、心臓の中にある4つの逆流防止弁が壊れます（心臓弁膜症）。
3. 心臓は全身に血液を送ると同時に、全身から使用済み血液も回収しています。そのため、心臓の中の圧力が高ければ、回収しなくてはならないはずの血液が回収できませんよね？どこにたまるのかというと、両足に血液がたまります。それがむくみとして現れます（右心不全）。
4. 心臓と肺は血管というパイプで接続されていますので、心臓の中の圧力が高ければ、肺の方に血液が逆流します（これを狭い表現で急性心不全といいます）
5. 心臓の血管にストレスがかかり壊れます（狭心症、急性心筋梗塞）

心臓の中の圧力が高くなれば、その圧力は他の場所に逃げていきます。血管の中は閉鎖空間ですので（当然血管に穴が開いていたらそこから出血しますからありえないですよね）、圧力を逃がす場所は腎臓から尿として出す以外ありません。腎臓にも高い圧力がかかっていれば腎臓も徐々に破壊されていきます。
脳の血管も一緒ですよね。挙げればきりがなく、高血圧は心臓病の始まりそのものであり、長い目でみれば透析や脳卒中の原因にもなっているという意味では、高血圧をしっかり管理すれば、多くの病気を回避できるとも言えます。

不整脈（心房細動、発作性上室頻拍、心室頻拍など）

不整脈にはさまざまな種類があり、原因はさまざまです。
心臓の中には発電所があり、その発電所作った電気は心臓の中にある電線を流れていき、心臓は一回動いています。違う場所に発電所ができたり、電線内で電気が流れなくなったり、複数の電線が混線を起こしたりするものが不整脈と考えていただいて結構です。不整脈は一時的に出たり消えたりすることが多く、循環器病の中でも診断が難しい場合が多くあります。
不整脈の中でも最重要なものが、心房細動です。脳梗塞の原因となることが重要で、脈は不規則になります。心不全の原因にもなるため、心電図検査を積極的に受けることのできる環境整備は今後必要になるでしょう。そのほか、若い女性に多い発作性上室頻拍も見つける努力が必要です。メンタル疾患と誤診されるケースが特に多いのがこの発作性上室頻拍になります。